経験したものはあげられる
ココア、入りました☺︎
ごゆっくりどうぞ。
何がそんなに怖いの?
気の持ちようだろ?
わがまま。
これは私が言われた言葉ですが、
パニック障害を経験した方なら1度は言われる
共通の言葉だと思います。
当時は随分と落ち込みました。
何がそんなに怖いのかなんて、私が1番知りたかったことですから。
でも、よくよく聞いていると、共通点があることに気がついたんです。
何がそんなに怖いの?
と言う人は、パニック障害を経験したことがない人ばかりでした。
逆に、経験のある人と話をした時には、
そんな時もあるよね。
当日でもキャンセルしていいから。
分かる分かる。
といった言葉が飛び交うのです。
私は、そこで改めて
「人は経験していないものを理解することが出来ない」と知りました。
何がそんなに怖いの?
という言葉は、当たり前の疑問なのだということが分かったので、
その他の言葉にも、反応して落ち込むことがなくなりました。
私自身も、経験したことのないものを理解することが出来ないのだから、お互い様なんです。
私にも事情があるように、相手にも事情があるのだから。
それが分かったら、
落ち込んでいる暇などありません。
人1人が、1度の人生で経験できる数は
限られています。
だから、経験はとても貴重です。
パニック障害の患者数は、国民のおよそ100人に1人の割合だと言われています。
この数字を見て、
「自分が何でその100人の1人に入るんだ」ともとれたし、
「100人に1人しか、パニック障害になれない」ともとれました。
それならば、後者を選択してやる。
_100人に1人しかなれないパニック障害とやらを、自分の体を使って存分に経験してやろうじゃないか_
小心者のくせに強がって、自分を奮い立たせました。
しっぽはいつも垂れ下がり、
びくびく膝を震わせながら、
それでもいつか、
私の経験を100人に1人の誰かに渡すんだと、
自分の中にパニック障害の経験をストックしていきました。
そして、経験したからこそ言える言葉を手に入れました。
「あなたは、大丈夫」
あなたが今感じている悲しみも、苦しみも、痛みも、何1つ無駄になんてなりません。
今の状況を観察し、分析し、実行し、
結果をまとめ、
あなたの中にストックしていって下さい。
パニック障害という経験を、
あなたの財産にして下さい。
そしていつの日か、今のあなたと同じように苦しんでいる人に出会った時、
あなたはあげられる人になっています。
あなたなら、言ってもらいたい言葉も、してもらいたいことも分かるはず。
対処方法も知ってるし、癒し方も知ってる。
だって、ストックがいっぱいあるから。
経験はあげられます。
あげるとどうなるのかというと、あなたが永遠になります。
あなたのあげた経験は、次の人へ、次の人へと渡っていきます。
あなたから始まった優しい循環は、そうしてこの世界に永遠に残り続け、
誰かの力になり続けます。
次の物語へ