はじめまして、世界

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ココア、入りました☺︎
ごゆっくりどうぞ。

 

はじめに

足跡をつけていただいて、文通をしているような気持ちになりました。
立ち寄っていただいてありがとうございます。

佐々木イソラ

 

 

得体の知れないものというのはたくさんあります。

私にとってはパニック障害もその1つでした。

これをすれば絶対治るという情報もない。

解決方法も分からない。

寝ていれば治るというものでも無いらしい。

どうすればいいんだ。

私は、ただただ得体の知れないものに怯えていました。

 

得体の知れ無いものは怖い。

得体を知れたらどうなのだろう。

 

幽霊の正体見たり枯れ尾花

 

幽霊だと思っている間は恐怖に慄いていたとしても、

枯れたススキの穂だと知った瞬間に恐怖は

去ったというものです。

 

ここにヒントがありました。

 

暗闇の中、幽霊を枯れたススキだと知るまでに、

一体何をしたのか?

 

しっかりと目を開いて、

本当に幽霊なのかどうかを確認したんです。

 

「なんだ、枯れたススキじゃないか」
そう思えるまで。

 

脳は命の存続を担っているので、怖いというものを

優先的に記憶していきます。

怖いというものを回避する方が、存続の確率は高いと

判断するからです。

 

パニック障害という幽霊が見せる世界に、

1つ1つ枯れたススキを見つけなければならない。

 

脳を再プログラミングするように、私は私の育て直しを始めました。

 

電車に乗ると「怖い」と反応します。
「これは電車という乗り物だよ。大丈夫だよ」

 

映画館に入ると「怖い」と反応します。
「ここは映画を楽しむ場所だよ。大丈夫だよ」

 

「なんだ、ただの電車じゃないか」

「なんだ、ただの映画館じゃないか」

そう思えるまで。

 

刺激という刺激に反応する私に、まるで初めてこの世界に生まれ出た子どもをあやすように。

 

ポンポンと胸をたたきながら、何度でも、何度でも、

1つ1つ答えてあげます。

 

そうして少しずつ、

私は私の手で育て直されていきました。

 

電車に乗るのも、外を歩くのも、生きるのも。

パニック障害になった日から、

全てが挑戦になりました。

 

息ができることも、歩けることも、食べられることも、普通じゃなくなったから、
それらのことに、いちいち感動して、

いちいち奇跡を思うようになりました。

 

パニック障害って、もしかすると、生まれ変わりというものを、生きながらにして味わわせる為に起こるのかもしれません。

 

実際に私は、生まれ変わったように人格が変わりました。

全てに奇跡を思う人間では無かったですから。

 

思うのです。

 

私たちは、全てが挑戦になったけど、全てに奇跡を思えるようになったんだよ。

 

それはもしかしたら、幸せなことなのかもしれない。

 

奇跡は、(大)きな(可)能性を辿った(跡)と書きます。

 

あなたが歩く道は、でこぼこかもしれません。

たくさんの傷を負い、「もう嫌だ」と歩くことをやめたくなるかもしれません。

それでも、もがきながら進むあなたの前には、新しい可能性への道が開けています。

その大きな可能性を辿った跡に、奇跡は起こります。

 

はじめまして、新しい世界。

 

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