目に見えないもの
ココア、入りました ☺︎
ごゆっくりどうぞ。
体の中は、目には見えません。
だから、体の中で一体何が起こっているのかを知るには、見ようとしなければいけません。
聴診器をあてたり、レントゲンを撮ったり、血液を分析したりして、見えないものを、なんとか見えるようにします。
それでも、どうしても見えないものがあります。
心です。
心は目には見えません。
見えないけれど、どこかにあるもの。
それを感じられるようにするには、どうすればいいでしょうか。
普段体の中で何が起こっているのか分からなくても、唯一私たちにも分かりやすいように内側からコンタクトを取り続けている臓器があります。
心臓です。
『心』と『蔵』
蔵は保管する場所という意味なので、どうやら心は心臓にあるにちがいない。
心臓の音に耳を傾けてみます。
私たちがリラックスしている時、心臓はゆったりとしたリズムを刻みます。
私たちが怒っている時、心臓は速度を速めて一緒に怒るリズムを刻みます。
私たちが泣いている時、心臓は寄り添うように悲しいリズムを刻みます。
逆もあるかもしれない。
心臓がゆったりしている時、私たちはリラックスしていて。
心臓が怒っている時、私たちは怒っていて。
心臓が泣いている時、私たちは悲しいのかもしれない。
私の中に、同じ瞬間、同じ感情でいるものがいる。
1度も離れることもなく、こんなにも同じものを共有していたのに、今まで見向きもしなかった。
ずっとひとりじゃなかった。
ひとりになれるわけがなかった。
目には見えないものたちの語る声は、
今日もドキドキと音を立てます。
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