羽が乾くまで待つ時にできること
ココア、入りました ☺︎
ごゆっくりどうぞ。
子どもの頃、理科の授業で映像を観ました。
蝶がさなぎから羽化する様子を追ったものでした。
見事に美しい蝶となって飛び立つものもいれば、羽が完全に乾かないうちに開こうとして、両羽がぐしゃりとくっついたまま、どうしようもなくそのまま息絶えてしまうものもいました。
私は、さなぎの後は、みんな蝶になって飛んでいくものとばかり思っていたので、その映像は強い衝撃となって残りました。
「今、何か止まっている気がする」
という時があります。
動かなきゃ、何とかしなきゃと思うのに、気持ちばかりが先走って、物事が一向に進まなかったり、立ち止まっている自分を、なんで頑張れないんだって責めてみたり。
余裕がなくなって、思考が堂堂巡りを始めた時、焦る気持ちを落ち着かせるように、私はいつも蝶のことを思い出します。
そして、こう言い聞かせます。
「今は羽をしっかり乾かす時期なんだ」
飛び立つことを急がないで。
今は飛び立つ日を心に描くことに集中し、しっかり羽を乾かしましょう。
立ち止まるのは、羽を乾かしているからです。
堂々と立ち止まりましょう。
さなぎでしか見えないものを見ておきましょう。
さなぎでしか感じられないものを感じておきましょう。
どこに飛び立とう。何を見よう。
ごはんを食べて、おいしいと呟いた時、
きれいなものを見て、きれいと呟いた時、
クスッと笑った自分に気づいた時、
世界が色づいて見えてきた時、
希望と期待で心がウズウズし始めた時、
明日が来ることが待ち遠しくて
眠れなくなった時、
あなたの羽は、乾いています。
飛び立つ準備が出来たなら、
後は、力いっぱいに羽を開くだけです。
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